熊本地震の復旧工事と地震対策、瓦屋根の耐震工法とガイドライン工法について

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熊本地震に便乗した悪質商法
実際に発生している事案・相談内容一覧


大震災後は悪徳業者や悪徳商法が多発し、消費者センターへの問い合わせが多くなります。 消費者センターのホームページでも確認できますが、 熊本地震で実際に発生していた事案・相談の一部を記載いたします。

【事例1】
屋根の補修工事が全額前払いで不安

屋根の修理業者を探していたところ、昨日訪問販売で来た業者から電話がかかってきた。夕方その業者が自宅に来て、屋根には上がらなかったが、代金は 60万円ということになった。
6月半ばに工事をするということで、契約書を交わした。「工事日が決まったらその 1 週間前に全額を振り込んでほしい」と言われた。
全額前払いという点が不安になり、今朝電話で解約を伝えた。「わかりました。担当者に伝えておきます」と言われたが心配だ。 契約書面は受け取っている。

【事例2】
屋根の補修工事が高額

地震で瓦が落ちてしまい、現在ブルーシートがかかっている。 10 日前自宅を業者が訪問し、2週間あれば瓦のふき替え工事を始められると言うので約 200 万円の見積もりをもらい、申し込んだ。
しかし知人から通常 100万円くらいの工事ではないかと言われ、他の業者と比べてそれほど高額なら契約をやめたいと思った。

【事例3】
屋根を点検すると言われ修理工事を契約したが信用できない

近隣の屋根工事をして回っているという業者が自宅に来訪し点検を勧めるので承諾した。
業者 は屋根に上った後、数枚の写真を見せながら「瓦がずれたり、外れたりしている。震災でお困りの状況なので、今なら格安で工事をする」と言い、見積書を出して来た。
自宅には太陽光発電装置を付けており、地震後、設置業者に点検を依頼したが「人手も資材も足りず、いつになるかわからない」と言われていたため、つい契約してしまった。
後で近所に聞いたが、どこも屋根工事 などしていないと言う。また、当日見せられた写真も、自宅の屋根とは色が違い信用できない。

【事例4】
屋根の補修工事の価格に不審な点がある

地震で屋根瓦が壊れた。5 月初旬に突然事業者が訪ねてきて、見積もりを取らせてほしいと言われたので依頼した。
軽量で耐久性の高い瓦を使い、価格も74 万円にすると言われたので、5 月中旬に瓦工事の契約をした。
契約書には瓦修繕工事となっていて、それ以上の細かいことは書いていない。その後、近所に聞いたら、さほど工事面積が変わらないのに工事代が 40 万円だと言われた。
価格に不審な点があるのでクーリング・オフしたい。

【事例5】
契約を急がせる屋根の補修工事

地震で屋根が壊れ、ブルーシートで仮補修している状態なので、一刻も早く修理をしたいと思っているが、これまで訪問してきた業者はいずれも見積もりは出せないという。
見積もりを出す事業者に依頼しようと思っているが、その事業者からは「大変混んでいるので今日中に契約をしてほしい」と契約を急がされている。この業者と契約して大丈夫だろうか。

【事例6】
屋根の点検を申し出て不安をあおり契約させる

自宅に来た業者が、屋根瓦のずれを指摘し、「点検するが、どうか」と尋ねてきた。業者は自宅屋根に上り、数枚の屋根上の写真を見せて、「このようにずれたり、外れたりしている。震災でお困りの状況なので、今なら格安で補修と塗装の工事をする」と言って、約 108万円の見積書を出して来た。
一瞬迷ったが、人手も資材も足りない状況もあり、つい見積・契約書に署名をしてしまった。
後で近所の家々に聞いたが、どこもこの業者に屋根工事を依頼していないと言う。また、当日見せられた写真も、自宅の屋根と色が違う。


他にも、同じような修理、応急処置が必要だった知人に聞くと、応急処置は無料で見積金額もだいぶ安かった、妥当な金額がわからないとの相談もみられます。
この様に、住宅の修理に関する相談が多く寄せられています。


過去にあった悪質商法の事例も紹介いたします


【事例1】
「無料で応急処置する」と勧誘したのに、有料工事を勧める屋根修理

地震で自宅の屋根が壊れ、無料で応急処置をしてくれるという業者を呼んだ。 梯子を持ってくるのを忘れたと言ってビニールシートもかけてくれず、 「有料の工事が必要だ」と言う。 見積書がほしいと依頼したら業者はそれ以来来なくなってしまった。

【事例2】
見積もりを依頼しただけで、契約とされてしまった屋根修理

雨漏りが心配だったので、震災で壊れた屋根をすぐに直したいと思い、電話帳で業者を探して連絡をした。 「見積もり無料」と書かれていたので、いくらくらい費用がかかるのか見てもらおうと思っていた。 業者がくると、勝手に屋根に上りブルーシートをかけられ帰られてしまった。 数日後、詳しい工法や工事内容を示す事なく約200万円の契約書面を持ってきた。 シートを掛けていただき断りにくく契約してしまった。

賃貸住宅に関する相談とともに、被災した住宅の修理に関する相談も多くなります。
地震により落下した屋根瓦の補修や、雨漏り防止のブルーシートを設置する契約などにおいて、 価格や施工内容に納得できないといった相談がみられます。
また、「修理を依頼したが手が回らない、と断られた」という相談のように、 業者に修理工事の依頼が集中していることが原因と思われるものも寄せられています。


業者と消費者、双方の目線から考える


早期復興支援の為に熊本に入ってきている県外の業者(県内の業者の手伝いは除く)、 新規で熊本に来た業者がいる中で、残念ながら県外からきて利益のみを重視している業者も少なくありませんでした。
この様な業者と契約を交わすと後々問題が発生する事もあります。
一時的に来ている悪徳業者と高額な契約書を交わし、工事終了し入金した後に雨漏りすることが発覚しクレームを入れても対応してくれない、 補修工事をしてくれない、というケースを耳にする事もありました。
県内の地域に根付いた業者のようにアフターフォローまでしっかりと保障してくれる、という事はまずないと思った方がいいでしょう。

今回の熊本地震でのケースですが、もっとも被害が出たのが屋根の天辺に位置する棟部になります。 これは台土の部分に粘土を使った昔の施工方法だった為に被害が大きくなってしまったという事が背景にあります。
それでもなお、粘土を使って工事を行っているところもあるのです。 更に、1番風当たりの強い棟を何の固定もせず、台風が直撃した時にまた被害が出るような工事をしているところもありました。 こういうケースもあるという事を踏まえた上で、契約を交わす際はよく検討して欲しいと思います。

屋根の上は一般的にどのような工事をしても下からは見えません。とても残念な事ですが手を抜こうと思えば、 金額も手順も半分で施工でき、手抜き工事や簡易的な工事は外見的には全く分からないように施工する事が出来ます。 だからこそ信頼のできる業者選択が不可欠になってきます。

災害復旧、特に大型地震の際に行われる工事は、通常で行われる工事とは違い、確かに高額になってきてしまいます。
その背景には、セメント瓦、陶器瓦(7寸丸)、ルーフィング(防水下葺き材)、南蛮漆喰等の''物''が不足する事による、材料費の高騰。
又、手の掛かる棟の施工、特に特殊な耐震施工(ガイドライン工法)で施工する必要があり、技術を習得している職人の不足に加え、 人手自体も不足しています。
この様な状況下で早急な工事を望まれる場合には、県外のスキルの高い職人さんを会社での雇い入れも必要になってきてしまう為に 人件費も高騰します。
ですが、これはあくまで早急な工事をする場合であり、何年か経過し、人不足や物不足、資機材の高騰がおさまれば 通常の工事に少しずつ戻っていきます。

シート養生の仕方でもご説明しましたが、台風対策を適切に施した場合は雨漏りや2階部分の瓦の飛散などの 2次被害も最小限に食い止る事ができ、長期間のシート養生が可能になり、それによりしっかりとした正当な業者を 適正な金額で依頼する事が可能になります。とにかく焦らないで冷静な対応を心がけて欲しいと思います。
県外からの業者による訪問販売での、『スグにも工事が出来ます』などの言葉にはくれぐれもご注意下さい。


悪質商法・詐欺が疑われる業者への対応方法


早く修理をしたいという焦る気持ちはとてもよくわかりますが、悪徳業者による被害にあわないために、 屋根工事をする前には必ず見積りをとり、工事内容と費用の確認を行い、契約書を交わして下さい。 その際、施工法はガイドライン工法等の耐震工事である事の確認と、雨漏り保証を3年程度は付けてもらって下さい。

高額請求をされた等のトラブルは、消費者センターまで問い合わせをされて下さい。

「消費者ホットライン188」
電話番号は三桁で188
平成27年7月より「188(いやや)」の 語呂合わせで導入されています。相談窓口につながった時点から通話料金のご負担が発生します。 携帯会社の通話料金定額サービス等でも別途ナビダイヤル通話料金が発生します。相談料は無料です。


訪問や電話での工事の勧誘があった時の対応として耐震施工(ガイドライン工法)を説明出来るかどうか、 又は各県の瓦組合や全日本瓦工事業連盟に属しているかがちゃんとした瓦屋かを見分けるポイントになるかと思います。
耐震施工(ガイドライン工法)については、熊本県瓦工業組合か全日本瓦工事業連合会のホームページにて確認できます。

熊本県瓦工業組合のガイドライン工法
全日本瓦工事業連盟のガイドライン工法


熊本県瓦工業組合からの悪質商法に対する
注意喚起チラシ


熊本地震の影響で消費者センターへの悪質商法の相談・問い合わせが急増していることを知り、 熊本県瓦工業組合で悪質商法に関する注意喚起チラシを作成しました。

悪質商法に関する注意喚起チラシ
悪質商法に関する注意喚起チラシ

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